Dear Alma Betty Smith,


あなたは私を知らないし、私だってあなたをシルエットとしてしか知らないけれど、直感的に私たちは馬が合うということが分かるの。今、これを書いているのは午前1時を少し回ったところ。あなたは一日の仕事を終えて泥のように眠っているか、夜の静寂の中で起きているか、あるいは深夜ラジオに耳を傾けているのかもね。


あなたと私をつなげる役目となったDJボブ・ロジャーズの番組で “Smoke Smoke That Cigarette” がかからなかったからといって、気にしないでね。いつかはかかるでしょう、そう確信している。わけは言えないけれど。去年は私の誕生日にロイ・クラークの「帰り来ぬ青春」をリクエストしたけれど、かからなかった。今年の誕生日には例年になく、ラジオから遠去かった。前ほど孤独でなくなったからかな。これが良いか悪いか言えないけれど。ラジオって置き去りにできる友人みたいじゃない?生活からぷつんと切り離すこともある。でも一番必要な時に受け皿になってくれる。ラジオのように近くて遠い存在、そんな人に私はなりたいのかも。


話は変わるけれど、アルマさん、あなたはどんなお仕事をしているの?同じ作業の繰り返し?時折、眠りの淵についた頃、あなたのイメージが目の前をよぎる。今夜はパブのカウンターでミートパイを解凍している。天井のファンが風を送り、糊のきいた白いエプロンを腰に巻いている。いずれにせよ、これから手放すこの緑のドレスはあなたそのもの。もしあなたが言ったことが本当ならば、このドレスでボブ・ロジャーズを追い回してね。


日本の駄菓子(ココア・シガレット)を同封します。煙草は手放すように! ところであなたは、煙の輪をつくれる?もしかしたら、あの曲、「スモーク・リングス」をリクエストすれば、かけてくれるかもね。彼のストレス・フリー大衆受けプレイリストの路線にあうと思うけど。


毎晩吹く煙の輪はどこへ行くのだろう?あの青と白のまあるい円は何をするのだろう?

パフ、パフ、パフ、心配ごとも一緒に飛んで行け...


Yours Truly,


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